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『氷蝕 −十年目に告げる愛−』≪桜木ライカ著≫

ようやく『桜木さんらしい』作品の登場という気がした1冊です。
痛さ加減もなかなかのものでございました。
痛いのスキーなので美味でございました☆

私、この手の話は大好物です。
男娼モノ…や、ヤラレマシタ。主人公直之の容姿がツボでございます。
年齢はいかんせんいきすぎ28歳というのがちょっとなぁでしたが、いやいやそこは。
たとえ高校の制服を着せられたり、女装が似合うとしても無理が…って思えど。
『欲望を押し付けられたことによってできあがった腰は女のものよりも細い』云々的表現がありまして。
あぁもうコレでグーです。そうですな、そうでないと。
ただ10年選手の割には事情があって、な男娼なので、なんというか…イイ感じなわけです、腐女子心を擽る?みたいな。


オンライン書店ビーケーワン:氷蝕
【あらすじ】キスがへたくそな男娼の直之が本田と知り合って、今年で十年になる。本田の下の名前も知らなければ過去も知らなかったが、この十年、ずっと一緒だった。本田に抱いて、触って、キスしてもらう。それでけで充分で、本田が自分のことをどう思っているのか、それは踏み込んではいけない領域だった。なぜなら本田は直之に客を紹介する男で、直之は本田に紹介された男と寝る男だったからだ。曖昧なふたりの関係が、この冬、大きな変化を迎えることに!?18歳以上推奨、アダルト・ラブ!


直之が男娼に身を堕とす経緯というのはありがちな設定。それから28歳になるまでのアンタって一体…って思ってしまうくらい天然というか、ちょいと抜けすぎというか、足りないというか。キャラ的にはそういう部分があるのだけど、取り巻く設定が物凄く悲惨でございまして。さすが桜木節とでもいいましょうか。やってくれましたね(嬉)だったりします。

最初が無理矢理、逃げる(=現実逃避)きっかけはいつも無理矢理、逃げた先でも無理矢理、と無理矢理オンパレード。
イタイです…痛いけど、そうなってしまうという哀しさってのが堪んないんですよね。
抗えないっていうのかな。

最初は好きだったという気持ちを踏みにじられ。
次の無理矢理は義弟で大好きな弟なのに、弟としか見れないヤツだったのに、自分の性嗜向を一番知られたくなかったのに。
最後はそこから逃げ出して、好きな相手を信じられないような事態が生じてヤケも手伝って。
そういう弱さってのがもう切ないわけです。
弟との和解は不覚にも涙しちゃいました。や、許すなよ兄貴、って思った。だけど許しちゃうんだ、この兄貴は。
どこまでも『兄ちゃん、と懐いてくれた、かわいい弟』なわけなのだよ。

一番のラブロマンスであるべき本田と直之のセックスの相性がいいのはわかったけど、二人の関係を楽しむよりも、私は直之の生い立ち及び成長過程を楽しんで読んでました。どう、彼が素直になっていくのか。
あと直之の服装、容姿…凄いツボだったんで。へぇそうやって誘うの、とか誘うための服装ってそうなの、とか(笑)
妙なところに転んでおりました。

あと、思ったのは、冬に読んでよかった。
あらすじに『この冬大きな変化』というのは、なるほどなぁと。こいつは冬に読まないと季節感がありません。
北海道の冬ってのは榎田さんの作品でもありましたけど、いいですね、凍てつく寒さが。
季節はずれなスェット上下とか。その寒さとか、周りから浮いちゃってるとか。
結構ツボだったりします。
季節感っていいなぁ。

そういえば。
直之の容姿はしつこいくらいに気になった私ですが、対抗馬(?)的シンジくんには興味がわきませんでした。
ピアスたくさんつけすぎなせい?ルックスすら思い浮かばないのは何故。ちょっと不思議に思いつつ、線の細い子なのかそうでないのかもつかみどころのない子でしたなぁと。
逆に男娼たちが客待ちに使う店のオーナー鴇沢氏がね…イラストと絶対違うと思いつつ想像を膨らませておりました。
イラスト担当実相寺紫子さんは凄く綺麗な、繊細な絵を描く方で、今回の挿絵もグーでしたが、鴇沢氏だけは絶対違うと思いました。
理由?…鴇沢氏の年齢のせいです。さて一体いくつなんだよー。気になって仕方がございません。ていうか食えないやつが好きなんですよ、アタシ。

2006.02.13(Mon) - 読





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